2015年1月7日水曜日

白樺の樹皮を自分で採ってつくった籠






























益子店にて開催中の日野明子暮しの道具展から
今回初登場の、<森の籠>の白樺の籠とマットをご紹介します。


北海道・置戸で制作をされている、<森の籠>の谷幸子さんの籠づくりは
白樺林で自ら樹皮を採取する所から始まります。

夏至の前後一ヶ月という限られた期間に、幾度も林に足を運び
木の状態をチェックします。
天候によって採れる量が左右されるそうで
何度も足を運んでも、ほとんど採れない年もあるのだとか。

採取したあとの白樺を、編める状態にするのがまた大変。
表皮を何枚か剥がし、平らな状態にしてから
刃物で切れるくらいの厚みに調整し、節を取り除くなどして
帯状に切ったものをオイルでなめします。

ここからようやく編む作業に入るというから驚きです。
編み上がった籠は蜜蝋オイルで仕上げてあり、しっとりとしたなめらかな質感。

マットは、谷さんのお母様が編まれたもので、なんと白樺の樹皮が
5重構造になっているのだそうです。
どうりでふっくらしているわけですね!
一般的な4重構造のものよりも、丈夫な仕上がりになっています。

谷さん曰く、樹皮を採り編める状態に持ってくるまでの作業が
籠づくりの工程の8〜9割なんだそうです。(!)

こうして出来上がった白樺製品は、美しいだけでなく強くて丈夫
水洗いもできてしまいます。

手入れをしながらともに長く暮らしていきたい道具です。